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『黄金を抱いて翔べ』高村薫

2016年07月04日 14:10

2016/07/04 13:14読書メーター用)
失われるものが多すぎた、けれども運命的ともいうべき大泥棒劇。「綿密に計画を練り、実行し、そして功を奏する」というプロセスは、いつだって脳汁ブシャーとなる。中盤までは、そんなふうに計画を詰めてゆく登場人物たちとともに、大冒険の心境を楽しんでいたのだけど。終盤の個人的脳内BGMは『モスクワ郊外の夕べ』。虚無感。/過去に読んだ小説『それでも、警官は微笑う』の感想にひさびさナイスをいただき、『李欧』を思いだし、アンダーグラウンドな世界観に浸りたくなって、後者と同著者の本作に着手した次第。

  ◇◇

以下、時系列。
読み進めるなかで書き溜めたツイート的なものたち。

16/6/8 4:11
地の文がかなり細かく書き込まれている印象。土地勘のある場所なら臨場感も味わえるだろうし、街や建物内部の描写は物語上必要なのだろうと思うが、理解できなくても読み進めるには問題ないので、「なんか、複雑な構造してるねんな」程度の理解にとどめ、テキトーに流すのがポイント。というか、脳が理解することを勝手にやめる(笑)。心理描写的なところだけ注目していくとベターだろうか。
書き込まれたディティールは、著者の特徴ともいうべきもの。といっても、私が高村薫さんの著書を読むのは『李歐』に続きこれが2冊目なのだが。

16/6/8 4:21
関西の朝の情報番組『よ~いドン!』には「となりの人間国宝さん」という、関西のまちをブラブラして「すごい人(=人間国宝さん)」に出会う、というロケのコーナーがあるのですが、その「吹田」の回に、アサヒビール工場周辺なども映っていたのですね。なぜここでこのような話をするのかというと、この小説にも、そのアサヒビール工場が「映り込んで」おり、非常に興奮したということが言いたかったから。アサヒビール工場はそういくつもないはずなので、国宝さんで見た場所とイコールのはず。実際には行ったことも見たこともないけれど、自分のよく知っている土地がフューチャーされたときに似た興奮。だって人間国宝さんで見ていなければ、吹田にアサヒビール工場があることも知らなかったもの。私が世間知らずなだけかしら。そうなのかもしれないけど(笑)。
ちなみに人間国宝さんで取り上げられていたのは、アサヒビール工場から車道を挟んだ向かいにある居酒屋さん。アサヒビールの社員さんも御用達なのだとか。
その居酒屋の店主ご夫婦の甥っ子さんだったかが舞台俳優さんをされていて、俳優仲間を連れて来店したこともあるらしいのだが、その仲間のうちに、満島真之介さん(満島ひかりさんの弟さん)もいたとかなんとかいうお話を聞きました。陽気なおかみさんで、なにやら彼に壁ドンを発注してやってもらったとかどうとか(笑)。
と、まあ、ここまでエピソードを握っていると、なんだか知らない土地のような気がしないから、余計にテンションが上がった次第です。これはひとえに人間国宝さんの功績であります。

16/6/17 22:38
著者の女装男子萌えってあるみたいだな。『李欧』でもあったものな。ただしどちらの場合も、単なる女装ではないのだ。人の目をあざむいたり油断させたりするための、「手段」としての女装。手段のひとつではあるものの、妙に似合ってしまって放たれる色気。周囲は魅力され、効果はてきめん。たしか李欧の場合はその効果を理解した上でしたたかに利用している感があったと記憶している。逆に、今作のモモの、「効果」を的確に自覚しているか不明な感じも、それはそれでいいな。

16/6/27 13:39
私が『黄金を抱いて翔べ』を読んでいる期間中、母がピアノで『モスクワ郊外の夕べ』を弾いていて、本作品の世界観にすっごいマッチするなと思った。
ていうか『モスクワ~』といえばフルメタのソースケがカラオケで、ロシア語で延々歌っていたというエピソードにより知っていた。フルメタの原作小説を読んでその曲の存在を知ったとき、検索して曲も聴き済みであった。ちょっとした優越感?を覚える。しかしアニメでは、歌うところまでは再現されず、少し残念に思った記憶がある。

2016/07/04 13:14
余談ながら、アニメDTBの世界観が好きな人は、高村薫さんの描く世界観もきっと気に入ると思うのでおすすめしたい。逆もまた然りで、高村薫さんの描く世界観が好きな人は、アニメDTBもきっと気に入るはず。

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